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障害者グループホームの入居を決めるには、見学から体験入居を得るか見学後体験せずに入居する場合がありますが、いずれにせよ入居が決まっても、既に日中活動先(就労先、作業所)がある方以外は日中活動先を決めなければなりません。
この選択は体験入居時で決まってしまう場合が多いため、体験入居前の日中作業所の選択には気を遣います。本入居になるとほとんどの方は一度決まった日中通所先を変更することはないからです。
工賃が作業所によって異なります(倍くらい違います)ので、健常者であれば給料の多寡は重要な選択要素ですが、障害当事者であるご利用者はそこは気にせず気に入った作業所へ、ずっと通所します。
*就労支援A型、就労支援B型、生活介護などを日中作業所や日中活動先と呼びます。
すんなり体験就労先(作業所)が決まるのは重度の場合です。軽中度は意外に手間がかかります。
しかし、障害特性にあった日中活動先を探して考えるのは楽しい時間でもあります。ご利用者様が活き活き輝ける日中活動先を選択したいものです。
作業所は主に飲食・菓子・パン製造系と、軽作業系(農園など含めた)に分かれますが、障害特性と本人(ご家族)の希望を考慮して選択します。
ここでは主に通勤、送迎方法という視点から考えます。
注意点は、重度(区分4~6)と軽中度(~区分3)で異なります。
<重度の場合 : 障害区分4~6>
重度の方はほとんどの方が生活介護です。4や5の方でもたまに就労B型の方がいます。
生活介護には体験中に送迎してくれる所と送迎無があります。
生活介護の体験利用は報酬(訓練等給付費)が出ないからです。
(逆に障碍者グループホームの体験入居は、本入居より少し多めの報酬が出ます。)
作業中は人数が増えてもそれほど手間はかかりませんが、送迎の手間は別次元です。
送迎付きは問題なしですが、送迎無しの場合は、グループホームで送迎するか、移動支援を依頼するかということになります。
移動支援となると当然調整が必要です。グループホームで送迎となると人手がかかります。(そういう人件費は訓練等給付費には含まれていません)
それでも、体験中だけはグループホーム側で送迎負担してでも、きちんと日中通所先は選んだ方が、ご利用者と日中通所先の、グループホームにより適したご利用者の選択に繋がります。
だから良い意味で体験入居中の特別扱い(考慮)は大切です。
<軽中度の場合 : 障害区分3以下>
軽中度の方は区分3くらいまでは一般就労、就労移行支援、就労支援A型またはB型、区分3なら生活介護も可です。
生活介護以外の就労作業所は原則送迎無しなので、公共交通機関と歩きでの自力通勤になります。
交通が不便で車社会の地方の場合は、生活介護でない就労支援A型・B型などでも送迎がある場合が多いかと思います。都市部でも送迎してくれる作業所はあります。(作業所から最寄り駅までなど)
ここで注意が必要なのは、金銭管理です。
持ち金を使い果たしてしまう方が多々います。そういう方にとって自力通勤は鬼門です。現金だけでなくICカード(通勤用のパスモなど)は財布と一緒です。行き帰りにコンビニや駅前のお店でお金を使い切ってしまう可能性大です。お金がないならないで・・・・・(-_-;)。
また、極端なケースとして放浪癖のある方も。東京での通勤時に行方不明になり、他県で見つかる方もいます。個人的には遠出は嫌いではありませんのでどこへでも迎えに行く心構えはありますが・・・・。
送迎付きならグループホームから作業所までドアツードアです。しかし、生活介護以外は特に都市部では送迎無が主流です。
複数利用者が体験利用する場合、あるいは既に近いうちに予定がある場合のようなケース限定ですが、ここで知恵を使いましょう。(本入居時のシミュレーションになります)
セット販売ならぬセット通勤(送迎)です。
多機能事業所と呼ばれる生活介護と就労支援B型や就労移行支援を同じ場所、もしくは近くで開設している事業所は多々あります。
体験利用予定のAさん(区分3以上)が生活介護利用でBさん(例えば区分2)は就労支援B型が適していると判断した場合、Aさんに送迎がつけば、空席さえあればBさんも同時に乗せてもらえることがほとんどです。
金銭管理に問題があるBさんならドアツードアでかなり問題解消です。2人ともに本入居になるとは限りませんが、こういう工夫で問題解決へ近づきます。
これは本入居後にAさんと、後から(数日~数か月後)入居が決まるであろうCさんやDさんの場合でも応用できる通勤(送迎)方法です。ご利用者が増えた場合を想定して、こういうことを予め考慮して作業所を選定すると運営がスムーズに行きます。
長期入院中や特別支援学校などを卒業したてで、就労経験のない方の作業所利用についてはいきなりは作業所を利用できません。別途述べています。
マーケティング用語にアップセルやクロスセルというキーワードがありますが、福祉でも介護でもどこででも応用できます。
こういう考えは福祉的ではないとか、理念に反するなどと言う方がいますが、それは措置時代の考え方です。
2003年に、20年も前に「措置」から「契約」に変わった現代の契約時代にいつまで古い発想を引きづっているのでしょう。
「契約」は自己責任です。ご利用者の利便のため、スムーズな運営のため、問題解決のために自ら交渉し、工夫しましょう。
グループホーム近隣に買い物できる店舗がない、駅前にお店がない・・立地が不利ならその特性に応じたPRをして最適なご利用者の方を探しましょう。
福祉事業であっても運営コンセプトの設定は重要な要素です。
マッチング可能なご利用者の方に出会います。為せば成る。成さねばならぬです。
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